アイドルと私の原点~1985年のクラッシュ・ギャルズを読んで~

アイドルはスキルじゃねんだ!ストーリーなんだよ!

各所で絶賛されている「1985年のクラッシュ・ギャルズ」を読んだ。クラッシュギャルズを追ったノンフィクション物です。

噂通り壮絶な内容だった。時代の熱狂が真空パックにされてる。痛くて、辛くて、温かくて、優しくて、残酷すぎる。ジャンルに興味が無くても「女の子達の青春物語」として十二分に力のある作品。

ただし、女子プロレスが青春のど真ん中にあった私には少々辛い内容だった。自分の青春を冷静に分析されるというのは、酷なことだね。

http://bunshun.jp/pick-up/1985c-gals/

人を魅了する天才レスラー長与千種。誰よりも強いが、つまらないレスラーライオネス飛鳥。

こう、並べただけでも物凄いストーリーがある。

ライオネス飛鳥は圧倒的に強いレスラーだった。だけれど、どんな試合でも主役は長与千種。負けても、勝っても観客を魅了するのは長与千種。そんな状況に不信感を募らせて、心を閉ざした若かりし頃の飛鳥の気持ちは痛いほどわかる。私の方が強いのに?ポテンシャルは圧倒的に高いのになんで?そう思うのは無理は無い。

そして月日は流れて、隣ではなく、逆サイドに立つ二人。そこで、飛鳥は初めて気付くのです。「長与千種が圧倒的に天才であることに」。自分の繰り出す技が長与千種というフィルターを通すとどんどんドラマチックになる。敵になってはじめて、理解する凄さ。

強いことと、人を魅了することは必ずしもイコールではない。

アイドルに重要なのはスキルじゃない。紡いでいるストーリーと人徳だ。というのは私の持論です。その思考の原点は中学の時に出会った女子プロレスにあると思う。

勝ち負けが全てではない。リング上で魅せる表情とストーリーに観客はシンクロするものなのです。

ということで、KポップアイドルとJポップアイドルを語る上で必ずまな板にのる「スキルの有無」とかどーでもいいやんと思ってます。

紡いでいるストーリーと人徳だよね。スキルより、その口から語られる言葉。背中で見せてくれる生き様が重要です。

でもこれは私の考え。アイドルを語る切り口は何通りあってもいい。というか無限であるべき。

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