そこに愛があるのかどうか?

今月17日にゴールデンに初進出するフジテレビのバラエティ番組「なかよしテレビ」。 日中韓などの著名人がお国自慢でバトルを繰り広げるというのが番組の趣旨だそうだ。
問題の予告映像を見たのだけれど、予想した通りあまり愉快なものではない。日本だけではなく韓国でも議論を生んでいるというのだから「なんだかな・・・」という素直な感想。

韓国の著名人とマツコデラックスが火花を散らす映像は確かに興味を引く。そういう意味では最高の予告映像なのだろう。ただし、愛はない。

議論を呼んでる予告の内容は韓国著名人の「例えるならば日本の芸能界は、草野球レベル。韓国の芸能界はプロ野球レベル」という言葉にマツコが「納得できない」と噛みつくところから始まる。
予告での議論はこのあとさらにヒートアップしているけれど、ここでは割愛します。

何度も同じようなことをブログに書いて、いい加減飽きたと言われそうなのだけれど、「レベル」をまな板に上げた切り口は危険だと思う。ちっとも楽しくない。
こんな辺境ブログでつぶやこうともKPOP分析は今この切り口が主流だからどうしようもないんだろうけれども。

相対評価じゃなくて、絶対評価で語った方が絶対愉快なのに、目先の分かり易さを優先しているが故なのでしょうか。確かに評論を書く場合は何かと比較した方が説得力を増すというのはテクニックとしてあるんだけれど。

でもそこに愛のない薄っぺらい評論なんて私は読んでいてつまらない。

「KPOPはビルボードにランキングがあるけれど、日本はそこまですら行けてない」 韓国側著名人のこの言葉に色んなものが集約されているような気がする。

「JPOPは歌えないし、踊れない。そこにKPOPが上陸してムーブメントを起こした。」こういう分析が10年後、20年後の日韓の音楽誌に載るんだろうか。そういう風に振り返る出来ごとになるんだろうか。そういう未来になるとしたら実にもったいない。

「隙間があったからウケた」じゃなくて、「こんな魅力があって~。こんな楽曲があって~。だからウケた」こんな形で振り返れたら良いのに。絶対評価で残すことって出来ないのかな。

あーーー言いたいことが絶対伝わってない。 はぁ。

なんというか、女心と同じです。 「元カノは掃除も出来ないし、料理もできなかったけど、君は出来るから好きだ」←こんな愛情表現つまらんでしょ。 愛のある物って相対評価で語ったらつまらないんだよ。

アジアって本当に難しい。 レディーガガが日本で売れている理由は分析しないのにね。

そして私がなにより悲しいのがこの番組にSE7ENがキャスティングされていたこと。フジテレビがこの番組で何をしたいのか?それはケンカだと思う。
国やバックボーンの違う人達を議論させる番組は確かに面白いし、そこにはある種のバトルが必要だと思う。 だからバトルを撮りたいと思う制作者の気持ちは十分理解出来る。

ただし、そういう場にアーティストを呼んだことについてはまったく理解できない。コラムニストや教授や評論家が自分の意見を展開し合うのはいいんですよ。だってそういう畑の人なんだから。

国を背負うのではなく、国を超えるのが彼らの仕事なのに。フジテレビは本当に愛がないと思う。

そして私は伝える技術がない。だから文章がいちいち長い。ただ、今年も愛するものは絶対評価で書いてきたい。過程で比較することはあっても、結論は唯一無二にまでこじつけたい(笑) そういうのがファンっていう人種だもんね。

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