今更ですが「蹴りたい背中」を読んだ。言わずと知れた2004年度芥川賞受賞作品。
自意識過剰な女子高生と、ヲタクの同級生を軸としたお話。
「年を取り過ぎてて、現代の若者の姿にあまり共感出来ない」そんなレビューを見るにつけ、どこかで嫉妬。
クラス内での階級意識や、グループの存在、浮くということ そういうことって昔は無かったんでしょうかね。共感出来ないというのはつまりそういうことなんだろうか。
痛々しいまでに共感で見てしまう私は、当然階級制度の中で生きてきた。 いわゆる「レベル」というやつ。 個人個人のレベル、そしてグループ毎でのレベル。 そういったことが学生生活を楽しいものにするか、否かを決めてしまう。
レベルの高い奴が学園祭やその他の行事を仕切り、レベルの低い奴は雑用に使われる。 暗黙のルール。
クラス替えの必死さ、発表後の号泣。 女子の難しさ。 男子の難しさ。
誰でも経験していると思っていたのだけれど、どうやら違うのかもしれない。我々世代特有の空気なのかも。
改めて痛々しさを作品として読むと、愛しいもんですね。
話題性と商業性を考えた受賞なんだろうなと、当時10代だった痛い私は思ってた。今もそう思うけれど、いい作品でした。