評価基準は独断と偏見と愛と妄想余白。
シークレットガーデンのキスシーンを好きな順に並べてみようという企画記事パート3(最終章)です。
第5位(いいかげん降参しろ)
理由
怒涛の連続キスシーンの中の1コマ。ストーリー的に大きな意味があるキスではないけれど、だからこそ視聴者が妄想する余白が沢山ある。
最終話のキスシーンの中では唯一、「ファンタジー>日常」なのではないでしょうか。
王子様とお姫様が結ばれるまでの紆余曲折は、古典であろうと現代物であろうとたっぷり描いてくれる作品は多々あるけれど、その後の「めでたし、めでたし」の部分に時間を割いてくれる作品は稀有。
もちろんシークレットガーデンが最終話でここまで甘めに仕上げられたのは、最期の最期でああいうエンディングを迎えることに大きな要因があるとは思うのだけれど、それでもフルスロットルでやりきってくれことには感謝。これは日本ドラマでは現状、決して出来ないことでしょうね。
収まりの良さも大事だけれど、くどくて、甘いものを視聴者は望んでいると思います。ストーリー上に意味なんかなくたって、イチャついているところが見たい!そんな風に思うのは私だけではないはず(笑)
ちなみにこのシーンの何が秀逸かと言えば、ライムの「手の動き」なのです。
抵抗→あきらめ(力が抜ける)→そして、その後のギュッ
2段階目の「あきらめ」までならこの手のシチュエーションでは良く見られるのだけれど、最期の最期、ライムの手がギュッとグーに握られるところが素晴らしいのです。 一方的なものではなくて、呼応している感じ。
抵抗していた力が抜けた後に、また別の力がギュッと入る瞬間。 その後のライムがジュウォンに腕を回すところに目を取られがちだけれど、その前のスイッチが一番重要なのです。 手袋をしているから、動きがより小動物的になっていてドキッとする。
引きの絵になってからギュッとなるので、きっと狙ってやったわけではないんでしょうけれど、ジウォンちゃんってこういう些細な動きを一々可愛らしく仕上げちゃう人ですよね。
第4位(攻守逆転)
理由
オスカをウリオッパと呼ぶ呼ばないで言い合いになった挙句、骨を折ってやるとまで脅した後にこれですからね・・・・そりゃあジュウォンも一瞬言葉を失うわけだわ・・・。
「チュッ」って軽いキス。ライムの精一杯がかわいい。 キスするために潜り込む感じもキュートなのです。
億万長者のジュウォンからしたら、こんなベッドの上で、ましてやぬいぐるみを頭に敷いて幸福を感じることなど想像すら出来なかっただろうこと。
ライムの部屋にいるジュウォンは部屋とは当然不釣り合いで、収まりが悪いんだけれど、でもだからこそ彼の人生にライムが現れた影響の大きさを感じる。
ライムの部屋でのジュウォンってやっぱり好きです。
第3位(我が屋の腹筋方法!?)
理由
物語冒頭で出てきた「腹筋シーン」を最終話で上書きするという上手さが光るシーン。
第三位の理由は簡単です。かわいいから。 そして、日常の二人を感じさせる奥行きがあるから。 「きっといつも、こうなんだろうなー」と思わせる奥行きを感じませんか?(笑)
ライムの表情を見ていると「また、こんなことして」という心の声が伝わってくる。
一応抵抗して、一応怒ったふりをするけれど、全然嫌がってないライム。いや、それどころか、どこか期待すらしている姿がかわいい。そして執拗にライムを狙っているジュウォンもかわいいのです。
「成長」と「相変わらず」のバランス。
「いかに幼稚になれるか?」 それがジュウォンの結婚観だけれど、本当に素敵な考え方ですよね。 現実世界での実践は難しいでしょうが、実はジュウォンの考え方は真理であるような気がします。
第2位(落ちて行く・・・・)
理由
このキスシーンを見た後ついつい「恋におちる」とか「fall in love」の語源を調べてしまった。何故こういう言いまわしをするようになったのか?明確な答えは見つからなかったけれど。
言葉を扱う人達は、色々な表現を新たに生み出そうと日夜努力している。
が、しかし
「落ちる」「溺れる」
これ以上の表現は未来永劫生まれないだろうな。 ふと、そう思ったキスシーン。
ヒョンビン氏は「落ちる」のが似合うなぁ。どこまでも、そして堂々と落ちて行く様がロマンティック過ぎます。
シークレットガーデンの一つのテーマが「億万長者が足を踏み外す時」だとするならば、このシーンは象徴的なシーンですよね。
そしてこのシーンはやっぱり「あごと手の位置」なんですよ。ジウォンちゃんのあごと手。
今まで目線にばかり注目していて「あご」分析が御留守になっていたことをこのキスシーンで初めて気付かされました。もちろん今でも目線、瞳の置き方は私の中でもとっても重要です。ですが、「落ちる」というシーンではむしろ「あご」の方が重要だなと実感した次第です。
目線を合わせる、見つめ合うというのももちろん、お互いの気持ちが通じ合った瞬間のサイン。 ただ、目線を合わせるということ自体はキスに限ったことではなく、日常的に行われていることなんですよね。 電車の向かい側に座っているサラリーマンと見つめ合っちゃうことなんて一月に3回ぐらいはありますよ(笑) しかしあごを合わせることはない。
目線は顔の向きを変えなくてもある程度の範囲、自由に動くのに比べて、あごって顔の向きを変えないと動かないんですよね。目に自由があるのに比べてあごには自由がない。逆に言えば、あごは意味がないと絶対に動かない。
視線は無意識に泳ぐことはあっても、あごは無意識に動くことはない。
ライムは最期のその瞬間まで、なかなかあごを上げないんですが、最期にびくびくしながら少し上げるんです。 ここが一緒に足を踏み外すことを選択した決定的瞬間という私的解釈です。 アメリカのドラマとかだと、すぐにあご合わせちゃうんですけど、アジアドラマはキスする寸前まであごを上げないのがいいですよね。びくびくしているのが良いです。
そしてやっぱり手を置く位置。
ここが一番好きです。 手を回すのも、肩に手をかけるのも素敵だけれど、ライムのような女の子が「落ちた」時のキスはここがベスト。 ちょっとした力で離れちゃいそうなぐらいのこの位置と、添える程度の力。
そしてキスが終わって離れる場面もとっても綺麗でした。 足を踏む外すキス・・・・いいですよね。
第1位(僕はもう乗れるんだ)
理由
ついに第1位までたどり着きました。
私的キスシーン第一位@シークレットガーデンはこのエレベーターキスに決定いたしました。ダントツの1位でございます。
私のキスシーン好き人生の中でもベスト3に入る「理想的なキス」だったと思います。 奇跡のキスシーンだと言っても過言ではないでしょう。
ケンカからのキスが何故、色々な作品で何度も何度も描かれているかと言えば、それは最も甘い「口の塞ぎ方」がキスだからなのだと思います。サスペンス物で出てくる「ガムテープ」とはまったく違うのです!(あたりまえだ!)
こういう方法でライムの口があっさりと塞がっている。降参していることがまず1つ目の素敵ポイント。 ガムテープでも塞がらないようなライムの減らず口を抵抗不能にさせているところが二人の「積み重ね」を感じます。
その上、狭いスペースで壁に押し付けるとは・・・・惚れてたら抵抗出来ないだろうな・・・。 物語の冒頭だったら速攻で非常ボタンを押していたでしょうが。すっかりジュウォンに夢中なようです。
そしてケンカキスだけに終わらせなかったのがこのシーンの秀逸なところ。そうです、このシーンは「人にうっかり見られてしまう」というこれまた何度も描かれている王道のキスシーン要素が含まれているのです。
この描写も前述のケンカキス同様、何度も上書きされてきた描写です。こちらの描写に関しては、物語の設定によって狙う効果はケースバイケースでしょう。悲恋物やコミカル物でも当然ニュアンスが変わってきます。
ただし、狙う効果は異なるにせよ「盛り上がっている最中に急ブレーキを踏ませてみたら面白くなる」。この基本は同じだと思います。
そして急ブレーキを踏ませてみた結果、このシーンではライムとジュウォンの間に認識のタイムラグが起きます。これがこのシーンの最も秀逸な点。
こちらのキャプをご覧ください。
誰かが入って来たのに気付いているジュウォンと、まだ気づいていないライム。ここにタイムラグが発生しているのが見て取れます。
気付いているジュウォンがキスをやめようとするのだけれど、まだ気づいていないライムはキスを続けようとする。このたった1秒あるかないかの部分が本当にリアルなのです。
演出上、ジュウォンが気づいてからライムが気づくことになっていたのか?そういう演出もなく自然に演じた結果なのかはわかりませんが・・・・こういうところなんですよね、ジウォンちゃんの上手さって。
他人が入ってくることを脚本を読んで事前に知っているのにも関わらず、こういう演技が出来るところ。 そしてアクセントの付け方も上手い。
通常、入ってきてビックリするor気まずい表情をする方にアクセントを強めに持っていく演技プランを立てる人が多いと思うのだけれど、彼女はそこはあまりアクセントを付けずに逆に、他人が入ってきてるのに気付いていない演技の方をアクセント強めに演じている。
ジウォンちゃんのことめちゃくちゃ大好きというわけではないんですけれど、この小悪魔アクセントとの使い方はとっても好き。
ケンカキスからの急ブレーキというWの極上キス要素とタイムラグ、そして日常の一コマを切り取ったと思わせてくれる奥行き。本当に1位に相応しい素晴らしいキスシーンでした。
ベスト1は意外な結果だったかも? お付き合い頂きありがとうございました。