樂俊凱 全9話
お腹に自らの子を宿した最愛の妻が殺される。俊凱は復讐のため、妻を殺した男の娘夜子を妻に娶る。ボロ雑巾のように夜子を捨てるために……。
しかし彼はいつしか、夜子を愛しはじめていた……。
- 主演/何潤東(ピーター・ホー)、張鈞寧(チャン・チュンニン)
- 監督/李駿(チュン・リー)
男は復讐のため結婚した女を愛してしまい。女は男の全てを知った上で結婚していた…。
全編通して二人のキレッキレの演技が堪能出来きます。
愛憎度は100パーセント。故に実は見やすいドラマかもしれない。視聴者に対して「共感してください」という、手を一切伸ばして来ない。こんな愛し方/愛され方はそうそう真似できるものではない。
痛くて切ないストーリー。だけど視聴者との間に一線引いてくれてる。だから、痛みを疑似体験し、美しさを存分に味わえる。
10分程度見ればエンディングが流れるので、良い感じでインターバルが取れます。
◆ ◆ ◆
傷つけながら愛してしまう主人公の歪み方が凄い。けれど、ヒロインの歪さも負けてはいない。
何より素晴らしいのは、精神的にも肉体的にも散々いじめ抜かれたのに、ヒロインが息子に「ジュンカイは善人」と教えることです。
彼は自分を傷つけるけれど、「私がこの世で唯一愛している自慢の男」という彼女の認識。
彼から逃げているのに、ある種、誰よりも絶対的に信頼してる。その歪み方が美しゅうて、美しゅうて。
それはDVによって、精神回路が曲げられたのでは決してない。彼の危険性を誰より認識した上である種絶対的に信頼してる。誰よりも素晴らしい男だと思っている。
目の前にいるのが、私でなければ、彼は善人なのだ。
復讐のために自分を娶ったことを彼女は知ってた。それでもいいと思っていたから。彼の痛みを引き受けようと思ったから。
だから、この世で一番愛する男が傷つけられた時。彼女は何の迷いもなく敵の首を掻っ切る。
善悪のわかる人間の見せる狂気は静かで怖くて、何の躊躇いもない。チュンニンちゃんの美しさと恐ろしさを堪能。
そして血まみれになって、ようやく呪縛から解放されるジュンカイ。
「やっぱり、彼は善人なのだ。この世で唯一愛する最高の男」
そんな説得力が絶大の笑顔。
歪でこんがらがった二人だけれど、人は愛することを止められないというもっともシンプルで美しいメッセージを体現してくれています。
あと、息子天天の存在が愛そのものなんだよね。あれだけ、傷つけ虐げたにも関わらず「俺の子を愛し育てている」。息子の存在突き付けられると、そこに愛があることを意識せざるをえない。
歪な人間こそ実はシンプルなのだよね。美しい物語堪能しました。ちなみにメイキングみたら超なごやかに撮影してた。ほんとにファンタジスタだよ。俳優さんって。
エンディング(秀逸)
余談
凄く残念なのが、車のシーンの会話がまったくわからなかったこと。中文弱者orz
たぶん物語から引用して話してるんだろうけどなー。
あとさっ……これって。このダンボールに印刷されてるのってさ…
もしや……ジャッキー大哥???助けにきてくれや!(笑)
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