痞子英雄 4話~11話

物語の根底に流れる大きな流れと、主要キャラクターの4人を追う分には文句なく楽しい。良作であることは間違いない。

ただ、誰と誰が敵で、誰と誰が味方なのか? いまいち把握できていないかも。組織相関図が頭に入ってこないのです(笑)

1話から11話までのあらすじを簡単に。

新型麻薬ドリーマーの密売組織を追う南署特捜課の刑事、呉英雄(以下英雄)は、組織を追う最中に陳在天(以下在天)という男に邪魔をされ、あと一歩のところで一味を取り逃がす。
邪魔をされたことに怒る、英雄だったが、なんと在天は南署に移動してきたばかりの特捜課の刑事だった。
ふざけた態度ばかりを取る在天に不快感を露わにする英雄だが、上司の命令でコンビを組まされるハメに・・・。

中々進展しない捜査にいら立つ英雄は、情報提供者である安仔から新たな情報を得ようとする。しかし、待ち合わせの場所で彼らが見たのは安仔の変わり果てた姿だった。

安仔亡き後、安仔の母を保護しようとする二人。しかし突然現れた陳琳という少女に邪魔をされる。 「何も知らない」と言い張る陳琳を連行する二人だったが、彼女がマフィア組織「三連会」会長の一人娘だということが発覚。三連会の顧問弁護士によって事情聴取を阻止される。

諦められない英雄と在天は陳琳の自宅に侵入するが、そこで彼らは陳琳が安仔の母を密売組織から保護していたことを知る。

警察とは別ルートで密売組織のリーダー高義を追う陳琳。
ついに、彼女は高義の居所を突き止めるが、彼女の乗った電車が高義によってトレインジャックされてしまう。ドーリーマーの充満した車内で意識朦朧となる陳琳。そんな陳琳を助けたのは軽薄な男在天だった。

逃走する高義を捕まえた英雄と在天だったが、そこで高義の口から在天の秘密を仄めかす言葉を聞く。

「以前のお前はそんな顔じゃなかったよな」

自らの秘密を知る高義を尋問する在天だが、高義は決して口を割らない。
一方、意識を取り戻した陳琳は英雄に「自分を助けてくれたのは英雄か?」と尋ねる。陳琳に好意を抱き始めていた英雄は「自分だ」と嘘をついてしまう。

そんなある日、北署署長の娘・凌可楽が在天を訪ねてくる。相談事があるという可楽。

在天が彼女の悩みを聞こうとしたその時、遠距離から打たれた銃弾によって可楽は殺されてしまう。 重要参考人となる在天。しかし鑑識官西英の力もあり容疑者からはずされることに・・・

北署の所長によって真犯人が捕まったことを聞く二人。しかし彼らが銀行強盗事件を捜査中に、押収した銃が可楽を殺害した銃と同一のものであることが発覚。二人は北署の捜査に疑問を持つことになる。

銃の密売ルートから真犯人を洗おうとする二人。 三連会が密売に関わっていることを知り、捜査を開始する英雄だが、その途中で陳琳と遭遇し彼女に罵声を浴びせてしまう。
言い合いになる陳琳と英雄。 英雄はそこで、彼女を助けたのは在天だったことを彼女に告げる。

恋が芽生えた二人だったが、警察とマフィアの間に立ちはだかる大きな溝を目の当たりにするのだった。

一方在天は忘れられない女性何小玫を探す日々を送る。偶然その場に通りかかった陳琳は軽薄な男在天の一途な面をしる。 英雄と仲直りするように言う在天だが、陳琳は少しずつ在天を愛し始めていた。

陳琳の気持ちが揺れ動く中で、在天は探していた女神小玫と再開する。 ストーカーのように付きまとう在天。 初めは彼を避けていた小玫だが、在天とデートをするうちに心を開くようになる。

在天が気になる陳琳は英雄と在天を食事に誘う。しかし現れたのは英雄一人だった。 やけ酒を飲んで泥酔する陳琳の姿を見た英雄は、陳琳の気持ちが既に彼から離れたことを知る。

一方、幸せの絶頂にいる在天は小玫の職場であるハンバーガーショップまでいつも通り訪ねていく。しかし彼の目の前でショップは爆発。小玫は帰らぬ人となってしまう。

自暴自棄になり、行方不明になる在天。 必死に探す陳琳と英雄。 ようやく在天を見つけ家に送り届ける二人だったが、英雄に一本の電話がかかてきたことで事態は思わぬ方向に進んでいく・・・・

といったところが大まかな(超おおまかな)流れでしょうか。  とにもかくにも陳琳が可愛くて、エアー鼻血垂らしながらみてます(実際は出てないってことっす)。

彼女の行動パターンがとにかくツボ。 本能に忠実な女性は見ていて不愉快になることもあるけれど 演じるアイビーちゃんが小動物的な可愛らしさを持つ女の子だから見事に中和されている。

見た目はどこにでもいる女の子だけれど、その行動の中に三連会で生きてきた彼女のバックボーンが透かし見える感じ。

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か、かわいい♥

とはいえ、英雄から在天へ心変わりする過程がやや唐突に見えなくもなかったかなと。そのあたりに対する視聴者の反応が気になります。(全編見るまでは感想めぐりはしない予定)
私は陳琳の心情変化を勝手に自己補正して消化しちゃってるのでまったく問題ないけれど、台ドラのヒロインといえば1にも2にも一途が条件みたいなところがあるからなー。

このあたりの心情変化も含めて、別記事で私的陳琳考察はやる予定♥

あと、英雄はてっきり西英が好きなもんだと冒頭勘違いしていたので、陳琳と距離を縮めて行くシーンはびっくりでした。 携帯をプレゼントするために陳琳を待っているシーンなんか目が点でしたね(笑)
まぁ西英ではなく陳琳を選んでしまう男心はわからなくもないなぁ(泣) 可愛いもんね。分かり易く情にもろいし。

美人で才女な西英タイプは現実世界でもモテなかったりするしなぁ。 どちらかと言えば、遊んで楽しいタイプの陳琳系の方がモテる傾向にあり。やっぱり分かり易い者勝ちなんだよね恋愛って。

私も陳琳派なので英雄には何にも言えないな(汗) 陳琳のどこがいいかと言えば分りやすいところではなく、分かりやす過ぎるところ。

・在天が食事に来なければ、泥酔するし、次の日には朝から在天の家に行っちゃう。

・別の女の子に渡す花は何がいいか聞かれれば、怒って帰っちゃう。

・在天が行方不明になれば、三連会をも動かして必死探してしまう。英雄からマフィアが警察を探すのはおかしいと諭されても、「大切な人は私のやり方で探す!」と言い放つ。

・普段は愛らしい瞳なのに、意見が食い違うと途端に挑戦的になる。

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この鋭い眼差しが良いのです。

描きたいポイントがでかすぎてそれを繋ぐ線/軌道に少し問題があるかなぁとは思う。 そういったドラマ全体のご都合主義に流されて、陳琳も違和感のある行動を取ることはあるけれど、根本的に描きたいとされる「陳琳」像にはめちゃくちゃ共感出来る。

どういった経緯でアイビーちゃんがキャスティングされたかは知らないけれど、モデル系美人さんではなく、こういう可愛らしい女の子をキャスティングしたのは大正解!!!

一見普通の女の子にしか見えない少女が、普通を夢見ているというバランスが良いんだもの。

一方の西英ちゃんは出番が少なすぎて物足りない。 もっと出番をくれい!
陳琳と自分の差を感じてしまうシーンとか、出来杉君みたいないかにもな相手との見合い話を英雄に相談するとか・・・そういう分かり易く泣けるシーンをさっ(笑)

西英ちゃんの何が良いかと言えばその不器用さなのだとおもうけれど、もっともっと彼女の不器用さ・・・それこそ切ないほどの不器用さをクローズアップしてほしい!!!

陳琳があれだけ目立っているんだから対になる西英ちゃんも目だってほしいっす。

ちなみに先ほど少し触れたけど、物語を進める上でやや強引なところがこのドラマにはある。 格好つけてつまんない作品にするよりは、多少プロセスは強引でも、描きたいものへ突進していくスタイルの方が私は好きです。だからあまり気にならないけれど・・・

捜査シーンの描写はいくつか気になるところがあった。

例えば在天が殺人を疑われるシーン。 ここで硝煙反応に触れないのはなんだかんだ微妙かなぁ。 遺体の身元確認も現場でしてるし・・・腐敗進んじゃうやん。

でも職業シーン以上に気になるのは、人が死ぬシーン。 潜入捜査官の阿得が死んだ後の描写はあっさりすぎないか!? 悲しんでいる描写が差し込まれなかったのは残念。にも関わらず「かたき討ちをする」みたいなセリフが出てくるのは若干の違和感。

一応名前があって有る程度のバックボーンがあるキャラを劇中で殺すなら、涙を流させてほしいなぁ。 あれ?死んじゃったの・・・では寂しすぎる。

在天の女神「小玫」が死ぬシーンも、全然悲しくなかったなぁ・・・。 「死」を扱うのであれば、その前後は有る程度丁寧に扱ってほしいなぁとは思います。

各人の演技について。

英雄@マークの目の揺らぎがヤバイ。 こんなものをキャリア1作目からやってるなんて凄いな。 これはわざとやってるのか自然にやってるのか気になる。
英雄が一番物語の引力に影響されているように見えるけれど、そんなことが気にならないほど魅力的に仕上げられているのはマークの力量故なのだと思う。 唐突にカッとなるシーンが多いけれど、継ぎ目なく演じられるのはスゴい。

ただ陳琳パートはあんまり感情移入出来ないなぁ。 あんまりお似合いじゃないからでしょうね(笑) というか、英雄のようなキャラが誰かを好きになる場合は有る程度のプロセスが必要だと思う。 在天や陳琳は瞬間で人を好きになっても納得するのに、不思議だなぁ。

そもそも、なんで陳琳と英雄のラブラインを冒頭に挟んだんだろ。 一瞬両思いになったところはまじでびっくりしました。 あれは両想いでなくても良かった気がするなー。 まぁ携帯を持ってきたところが男前過ぎたったので良いんだけど。

それから無地Tの着こなしかたが凄い!

在天@仔仔について。

軽薄さと一途さの行き来が素晴らしい。小玫に対しの表情は純真無垢な少年だものなぁー。 さすがに毎日、店にはりついて待っているシーンはイケメン仔仔といえどもちょっとキモくないか?とは思ったけれど(笑)

西英@チュンニンちゃんについて。

ん~・・・正直11話までで、美味しいシーンが少なすぎる。 印象に残るシーンがあまりないなぁ。 チュンニンちゃんのせいではなくて、シナリオの流れなので仕方なし。
鑑識室で西英と話すのは英雄にとって懺悔部屋に入るようなものなのだろうなぁ。 母性というか、器というか・・・・見返りが無くても受けとめようとする西英は美しい。 英雄の無地Tと西英の白衣がなんだかとっても美しいコントラストを描いているような気がする! だがしかし出番は少ない・・・・今後に期待。

陳琳@アイビーちゃんについて。

シークレットガーデンでもライムにそれなりにキャーキャー言ったけれど、やっぱり私はこの手の子に一番弱いね(笑) 見事にハートを打ち抜かれてます。

言葉の置き方/吐息の使い方が安公主と通じるものがある。目が大きいのも共通点かなぁ。

挑発的な目がとっても上手。 実際に気が強い人はこういう表現が上手い傾向にあるので、アイビーちゃんもきっと言いたいことズバッと言う系なんじゃないかなぁ。 ここも安公主と共通するかな(爆笑)

在天へのアプローチが今後どうなるのかがめちゃくちゃ楽しみです。

とにもかくにも陳琳という収穫を得られたのはデカいな!

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